同時通話型トランシーバーとは?
目次
無線機・トランシーバーの通信方式
無線機・トランシーバーの仕組み
無線機・トランシーバーは、距離の離れた人同士で会話ができる便利な通信手段です。
無線機・トランシーバーの通信方式は、携帯電話のように基地局の中継を介さず、本体にある受信機と送信機を使って直接音声の送受信を行います。
使い方は機種によって異なりますが、一般的な使い方としては「チャンネルを合わせて話をする」だけで、簡単に通話を行うことができます。
具体的な手順は次の通りです。
- 無線機・トランシーバーの電源を入れる
- 音量を調節する
- 通信するチャンネルを合わせる
- 送信ボタンを押しながら話す
無線機・トランシーバーと携帯電話の違い
同じく移動しながら使える通信手段としては、携帯電話がありますが、無線機・トランシーバーは、送信ボタンを押しながら話す、という点で使い方が大きく異なります。
これは、携帯電話が基地局の中継を介して通信するのに対し、無線機・トランシーバーは本体の受信機と送信機を使って直接通信を行う仕組みになっているためで、基地局の中継を介さない分、情報伝達速度が速く、2台間の電波が届く距離であれば、携帯電話の電波が届かないような山間部であっても通信することが可能です。
無線機・トランシーバーはPTT(プッシュツートーク)が基本
送信ボタンを押しながら話す仕組みは、PTT(プッシュツートーク)と呼ばれています。
このPTT(プッシュツートーク)とは、送信機と受信機を切り替えて行う通信の仕組みのことです。
無線機・トランシーバーは、電源を入れてチャンネルを合わせると電波を受信して、相手の音声のみが聞こえるようになっていますが、送信ボタンを押すことで、押している間は送信状態となり、自分の音声を発信することが可能になります。
また、無線機・トランシーバーは、1対1の通話のほかにも、複数の通話先を指定して、全員を同時に呼び出して話しかけることが可能ですが、携帯電話とは異なり、一般的には双方向で同時通話することはできない仕組みになっています。
これは、1つの周波数帯の電波で送信と受信を行っているためで、相手の通話の発信が終わり通話ボタンを離すのを待ってから、自分の通話ボタンを押すことで話しかけることが可能になります。
このことから、自分の通話の終了が相手にわかるように、送信権を譲るときには「どうぞ」や「以上」というように発言終了の意思表示をするルールが一般的となっています。
無線機・トランシーバーの同時通話とは
無線機・トランシーバーの中には、携帯電話のように、双方向で同時通話ができる機種があります。
クロスバンドで同時通話が可能に
無線機・トランシーバーで同時通話を行う場合は、送受信で異なる周波数帯を用いるクロスバンド方式で交信を行います。
同時通話対応の無線機・トランシーバーには、あらかじめクロスバンドの仕組みが組み込まれていて、チャネル切替スイッチと連動して送受信両方のチャンネルが切り替わるようになっているので、使用者が細かく操作しなくても簡単に同時通話ができるようになっています。
同時通話型トランシーバーのメリット
同時通話型トランシーバーのメリットは、携帯電話のように自然に話ができるという点です。
PTT(プッシュツートーク)では、相手の発信の終了を待ってから話す必要があるため、慣れない人はぎこちなく感じてしまうことがあります。
その点、同時通話型トランシーバーでは、相手の発信の終了を待たずに、双方向で携帯電話と同じような通話ができます。
加えて、送信ボタンを押す必要がないことから、ハンズフリーで通話しながら両手で作業することも可能です。
このような特長から、同時通話型トランシーバーは、離れた場所で、2人でタイミングを合わせるような共同作業を行う現場などに最適な無線機と言えます。
同時通話型トランシーバーのデメリット
一方で、同時通話型トランシーバーは、単身通話で行う無線通信と比較して、通信距離が短くなるというデメリットもあります。
単身通話と同じ感覚で使用すると通信がつながらない場合もありますので注意が必要です。
また、同時通話型に対応している無線局は特定小電力トランシーバーか、IP無線に限られることもデメリットの一つです。
同時通話に対応していない機種の特定小電力トランシーバーやデジタル簡易無線(登録局 免許局)の無線機・トランシーバーを使用する場合は、従来の単身通話になります。
e-無線のおすすめ同時通話型トランシーバー
同時通話型の特定小電力トランシーバー
他者間同時通話可能
特定小電力トランシーバー
SRFD1
スタンダードホライゾン 八重洲無線
最高クラスの防塵・防水性IP68
Bluetooth®ユニット内蔵!
略称/型番 | SRFD1 |
---|---|
種別 | 特定小電力トランシーバー |
メーカー | 八重洲無線 スタンダードホライゾン |
お問い合わせはこちら
SRFD1は多者間同時通話「システムファミックスシステム」を搭載
SRFD1には、多者間同時通話システム「ファミックスシステム」 が搭載されています。
ファミックスシステムは子機の制限が無く、グループ内の誰でも同時通話に参加することができる多者間同時通話が可能です。
ファミックスシステムの特長
何人でも参加できる他者間同時通話
子機の制限が無く、グループ内の誰でも同時通話に参加できる他者間同時通話が可能です。
2台の親機は常に同時通話の状態で通話が可能です。
グループ内の子機からはPTT(プッシュツートーク)または完全ハンズフリー機能のVOXを使用して誰でも同時通話に参加することが可能です。
全員が同時通話を受信
グループ内の全員が通話を受信することで情報共有が可能です。
グループ内の子機は何台でも増やすことができ、全員が他者間の同時通話を受信することができるので、作業現場で使用するときなどでも、効率よく安全に作業を行うことができます。
回線切断時の自動バックアップ
休憩などで親機が通話から抜けた場合でも単身通話に自動で切り替わるので、グループ内の連絡を続けて行うことができます。
常に同時通話状態の親機のどちらか(または両方)が通話を抜けた場合に単身通話に切り替わります。
その他のグループ内の子機が通話から抜けた場合には、他者間同時通話が継続できます。
専用親機装置が不要
ファミックスシステムは、専用親機を使用せず、通話用トランシーバーのみで他者間同時通話が可能です。
通話用トランシーバーは、簡単に親機と黒衣の設定ができるので、使用する現場の用途に応じて柔軟に対応することができます。
都度の設定が不要
一度設定しておけば、次回からは電源を入れるだけですぐに通話が開始できる回線自動接続機能を装備しています。
回線接続時に、前回のチャンネルが使用中の場合は、自動でチャンネルが切り替わり回線を確保するので、手動でチャンネルを切り替えることなく使用することが可能です。
簡単ペアリング(グループ設定)
設定は同時通話を行うメインの親機から電源を入れ、次に相手となる親機、最後に通話メンバーの子機の順番で電源を入れるだけでペアリングができます。
業界初!3者同時通話が可能
特定小電力トランシーバー
DJ-P300
アルインコ ALINCO
同時通話に特化したスペシャルモデル!
IP67相当で最高クラスの対塵、防浸
略称/型番 | DJ-P300 |
---|---|
種別 | 特定小電力トランシーバー |
メーカー | アルインコ ALINCO |
お問い合わせはこちら
DJ-P300は3者同時通話が可能
DJ-P300は、親局無しで3者間の同時通話が可能な特定小電力トランシーバーです。
3者間同時通話の他にも、2者間同時通話や通常の単信交互通話にも対応しています。
DJ-P300の3者同時通話の特長
同時通話のチャンネルは設定済
チャンネルは設定済なので8つのチャンネルA~Hから、全員同じものを一つ選んで
合わせるだけで同時通話が手軽にできます。
最初にPTT(送信ボタン)押したトランシーバーが親機
グループの中で、最初にPTT(送信ボタン)を押したトランシーバーが親機になります。
子機のPTT(送信ボタン)を順番に押すとマッチングが完了
子機は二人同時にPTTを押さず、順番に操作します。
順番にPTT(送信ボタン)を押して「送」アイコンが表示されたらマッチング完了になります。
ハンズフリーで3者間通話が可能
マッチングの後は、無線通信を終了するまで無線機に触れることなくハンズフリーで3者間通話が可能です。
圏外から自動で通信を回復
親が通話圏外に出ると子機間も通話できなくなりますが、圏内に戻ると自動的に回復します。
まとめ
通常の無線機は、相手の通話の発信が終わり通話ボタンを離すのを待ってから、自分の通話ボタンを押すことで話す単身通話が基本ですが、機種によっては携帯電話と同じ双方向で通話が可能な、同時通話型トランシーバーがあります。
同時通話型トランシーバーには、送受信で異なる周波数帯を用いるクロスバンドの仕組みが組み込まれているので、使用者が細かく操作しなくても簡単に同時通話ができるようになっています。
同時通話型トランシーバーは機種によって、3者間通話や他者間同時通話といったグループ間での無線通信をハンズフリーで行うことが可能なため、離れた場所での連携作業が必要な現場などに適ししています。
追伸
e-無線では同時通話型トランシーバーをはじめ、各種、各メーカーの無線機・トランシーバーを取り扱いしております。
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