業務効率化の代表的な方法6選!おすすめのツールや注意点についても解説
一口に業務効率化といっても、情報共有の効率化やアウトソーシングの活用など、様々な方法があります。ただし、業務効率化の方法を理解しても、方法をただ実践していては、大きな成果は得られません。
当記事では、業務効率化の代表的な方法やおすすめのツール、効率化の注意点、具体的な手順について解説します。
業務効率化の代表的な6つの方法
業務効率化の代表的な方法として次の6つが挙げられます。
- 情報共有の効率化
- アウトソーシングの活用
- 業務の一括化・分業化
- 無駄業務をなくす
- マニュアルの作成
- 各種デジタルツールの導入
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.情報共有の効率化
情報共有の効率化は業務効率化に効果的です。情報共有を効率化できれば、従業員や部署が保有しているデータやノウハウ、知見を一元管理して、データベース化できます。
データベース化すれば、社内全体で情報を共有できますし、各々が情報を更新するため常に最新の状態に維持できるでしょう。
効率的な情報共有が可能となれば、前任者の情報をそのまま引き継いでシームレスな顧客対応が行える、資料・報告書データを参照しやすくなり時間短縮できるといった効果を得られます。
2.アウトソーシングの活用
アウトソーシングとは、社内業務の1部を社外へ委託するサービスのことです。自社従業員でなくても処理できる業務や自社従業員では対応できない専門業務などを外部企業に任せることで、人定リソースの有効活用やコスト削減を図れます。
ただし、委託サービスや委託する業務量によっては、かえってコストがかかる他、外注した分野のノウハウを社内に蓄積できないといったデメリットがあります。社内にノウハウを蓄積したいという場合、コストはかかりますが、コンサルティングやアドバイスなども行っているアウトソーシング企業を選ぶようにしましょう。
3.業務の一括化・分業化
業務の一括化・分業化も業務効率化の方法として効果的です。複数の部署・担当者にまたがっている業務を1つの部署・1人の担当者にまとめれば、情報を一元化できるため、業務をスムーズに行えるようになります。
一方、1つの部署・1人の担当者で行っている業務を複数の部署・担当者に分散させることで、担当業務を簡素化して負担を減らし、習熟スピードを早めることが可能です。ただし、この方法は業務プロセスの変更を招くため、失敗してしまうとかえって業務効率化が悪くなります。
失敗するリスクを低減するためには、実際に現場で働いている従業員に意見を聞きながら、慎重に進めていかなければなりません。
4.無駄業務をなくす
無駄な業務をなくすというのも有用な方法です。方法としては必要のない定例会議をやめる、活用されていない報告書・資料の作成をやめる・簡素化するなどの方法が挙げられます。
ツールの導入や業務プロセスの変更が手間で、業務の一括化・分業化がすぐに実施できないという場合、無駄な業務をなくすことからはじめてみるとよいでしょう。いきなりやめてしまうのは不安という場合は、短縮したり、1部の業務をなくしたりするなどして、段階的に減らしていくのがおすすめです。
5.マニュアルの作成
定型業務は業務プロセスや効率性によって生産性が大きく変わります。定型業務の成果にバラツキがある場合、マニュアルを作成して共有することで業務を効率化できるかもしれません。
また、マニュアルをすでに作成している場合でも作業が微妙に変化して、内容が適切でなくなっている可能性があります。定期的に確認を行い、必要に応じて内容を見直すことも重要です。
6.各種デジタルツールの導入
各種デジタルツールを導入して、テクノロジーの力で業務を効率化するという方法もあります。例えば、顧客管理ツールや営業支援ツール、名刺管理ツールを導入すれば、従業員や部署の情報をツールで一元管理できるため、情報共有の効率化につなげられます。
RPAを導入すれば、業務を自動化して定型業務をなくすことも可能です。ただし、デジタルツールは様々な種類があり、ツールによって使用できる機能も異なります。
ツールを導入する際は自社の問題点は何かをしっかりと把握したうえで、必要なツール・機能を見極めることが大切です。
おすすめの業務効率化ツール
おすすめの業務効率化ツールは次の5つです。
- クラウドサービス
- オンライン会議ツール
- ビジネスチャットツール
- RPA
- マーケティングツール
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.クラウドサービス
クラウドサービスとは、インターネット上にある仮想フォルダにデータ・ファイルを保存できるサービスです。フォルダへのアクセス権限がある従業員であれば、クラウドを経由してファイルの閲覧や共有が行えます。
メールやUSBを用いたファイル共有と比べて大容量のデータを気軽に共有でき、インターネット環境さえあればどこにいてもアクセス・データ保存が可能です。
2.オンライン会議ツール
オンライン会議ツールとは、パソコン・タブレットといった端末やインターネット環境さえあれば、場所問わずミーティングが行えるツールです。テレワークの普及に伴い、現在では多くの企業が導入しています。
オンライン会議ツールは主にミーティングや会議で使用されることが一般的でした。しかし、コスト削減や多くの参加者を集めるという観点から、近年はツールを使用してオンラインセミナーを開催する企業も増えています。
3.ビジネスチャットツール
ビジネスチャットツールとは、社内のコミュニケーション効率を高めてくれるツールです。社内の連絡手段はこれまでメールが一般的でした。
しかし、メールでは定型文に沿ってメール文章を作成しなければなりません。また、返事が来ないと相手が確認したか分からない、複数のメンバーに情報共有する際にはアドレスを複数打ち込まないといけないなど、情報伝達に多くの手間がかかっていました。
ビジネスチャットツールは最低限のビジネスマナーさえ押さえておけば、実際に会話している感覚でスムーズなやりとりが行えます。そのため、メール時に発生した情報伝達の無駄を省くことが可能です。
4.RPA
RPA(Robotic Process Automation)とは、パソコン上で行うデータ収集や集計といった定型業務をソフトウェアロボットによって自動化できるツールです。これらの業務は企業規模が大きくなったり、収集するデータが多くなったりするほど膨大となり、大きな負担となります。
RPAによってこれらの業務を自動化できれば業務負担を軽減できる他、空いたリソースを有効活用できるため、生産性の向上にも寄与できます。
5.マーケティングツール
マーケティングツールとはマーケティング業務の効率化を支援してくれるツールです。マーケティングツールを活用すれば、運用・管理を自動化できる他、適切なタイミングで顧客にアプローチできるため、成果の最大化も期待できます。
ただし、マーケティングツールは市場調査や営業支援、顧客情報管理など、様々なものがあります。そのため、現状の業務をしっかりと把握したうえで、どのマーケティングツールを導入するのかしっかりと検討しなければなりません。
現場での業務効率化を目指すなら無線の導入も1つの方法
コミュニケーション不足が原因で現場の業務効率が悪いという場合、無線を導入するのも1つの方法です。無線であれば送信ボタンを押すだけで複数人に対して一斉に音声通信が行えるため、携帯電話のように電話帳から相手を選んだり、1人ずつ電話したりする手間を省けます。
工事現場や工場、飲食店、結婚式場、イベント会場などの情報伝達を効率化したいという場合には、無線の導入も検討してみるとよいでしょう。
業務効率化の3つのメリット
業務効率化のメリットとして次の3つが挙げられます。
- コストの削減
- 利益の拡大
- 従業員満足度の向上
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.コストの削減
業務の効率化によってムリ・ムダ・ムラを省くことで、作業にかかる時間を削減できます。
作業時間を短縮できれば、業務全体の作業スピードを向上させられるため、残業時間の軽減に寄与し、人件費などのあらゆるコスト削減につなげられます。
2.利益の拡大
利益を拡大できるのも業務効率化のメリットです。業務を効率化することで、人的なリソースの関係で取り組めなかった業務に着手したり、新しい事業をはじめたりする余裕を生み出すことが可能です。
また、生産性の向上により、質を維持したまま稼働率を高められるため、利益の最大化を図れるでしょう。
3.従業員満足度の向上
業務効率化によって残業時間を削減できれば、ワークライフバランスを向上させられるため、従業員満足度や社員の定着率向上などに寄与できます。
労働環境改善を目指す働き方改革を実現するためには、業務効率化が欠かせません。
業務効率化のデメリット
業務効率化にも少なからずデメリットがありますが、よく発生するのが改善方法のミスマッチです。業務内容やプロセスは企業によって違います。
そのため、ネット情報だけを鵜呑みにしてツールを導入したり、業務プロセスを変えたりしてしまうと、自社業務とミスマッチを起こし、かえって業務効率が悪くなったり、手間やコストだけがかかったりするリスクがあります。
業務を自動化した結果、顧客に誤ったメールを送ってしまい、大きなトラブルに発展する可能性もゼロではありません。このようなリスクを減らすためには、自社の現状をしっかりと把握したうえで、どのようなツール・機能が必要なのかしっかりと洗い出すことが大切です。
業務効率化の3つの注意点
業務効率化の注意点として次の3つが挙げられます。
- 従業員の意識改革を行う
- 導入するための事前準備をする
- 使用しやすいツールを選ぶ
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.従業員の意識改革を行う
従業員の意識改革を行うことが大切です。意識改革を行う理由は、業務効率化の必要性や業務プロセスの変更によってどのように効率化するのかなどを理解してもらい、従業員に主体的に取り組んでもらうためです。
主体性がないと指示されたからツールを使用するという受け身の運用となってしまい、システムの定着率が上がらなかったり、業務効率化の効果が出にくかったりします。企業全体の業務効率化を推進していくためには、従業員の意識改革が欠かせません。
2.導入するための事前準備をする
導入するための事前準備とは、従業員への事前説明のことです。いくら意識改革を行って主体的に取り組む環境を整備しても、事前説明や打診なく業務プロセスの変更やツールの導入をしては、スムーズな対応が難しくなります。
したがって、マニュアルを事前に渡して質問などの対応を行ったり、説明会を開催したりして、定着しやすくするための準備をしっかりと行いましょう。また、事前準備をしっかりと行っていても繁忙期といった忙しい時期は対応が難しいです。
そのため、業務効率化の実施時期は閑散期などスケジュール的に余裕がある時期を選ぶようにしましょう。
3.使用しやすいツールを選ぶ
シンプルで使いやすいツールを選ぶことが大切です。業務効率化に寄与できる素晴らしいツールであったとしても、使いづらいと活用されず、効率化が進まないばかりか無駄なコストだけがかかってしまいます。
このような事態を避けるためには、デジタル機器が苦手な方でも使用しやすく、業務効率化に必要な機能だけを備えているツールを選ぶことが大切です。
業務効率化を進める際の手順
業務効率化を進める際の手順は次のとおりです。
1.現状を把握する
2.課題点・問題点を洗い出し優先順位を付ける
3.業務改善策を検討しスケジュールを策定する
4.スケジュールに沿って改善策を実施する
5.改善を実施後に効果検証を行う
業務効率化を進める手順の注意点は2つあります。
1つ目の注意点は、洗い出した課題点・問題点に優先順位をつけることです。洗い出した課題点・問題点をすべて行うのは現実的に不可能であるため、優先順位をつけて改善していく必要があります。
2つ目の注意点は、スケジュールに余裕を持たすことです。業務効率化を想定どおりのスケジュールに進めることはできません。
不足の事態にも対応できるようにスケジュールには余裕を持たせて、中長期的に取り組むようにしましょう。
まとめ
「情報共有の効率化」や「アウトソーシングの活用」など、業務効率化には実に様々な方法があります。また、業務を効率化できるツールも様々なものがあるため、うまく活用できれば、業務を効率化して様々なメリットを享受できるでしょう。
ただし、当記事で紹介した方法・ツールはあくまでも一例です。業務プロセスや課題点は企業によって異なるため、これらの方法をただ実践したり、ただツールを導入したりするだけでは業務効率化は実現しません。
成果を最大化するためには、現状をしっかりと把握したうえで、自社に適した方法にアレンジしたり、必要な機能が備わったツールを導入したりすることが大切です。