業務効率化におすすめのツールとは!効率化するステップやポイントについても解説
働き方改革や働き方の多様化によって、業務効率化は多くの企業が抱える課題となっています。また、少子高齢化による労働人口の減少、インフレによる賃金の引き上げなどを背景に、さらなる効率化を行わなければならない企業も少なくありません。
しかし、業務効率化は簡単に実現できるものではないため、どのように取り組むべきか分からないという方も多いでしょう。今回は業務効率化の概要やメリット、効率化するためのステップやポイントについて解説します。
業務効率化とは?
「業務効率化」とは、現状の業務プロセスから3M(ムリ・ムダ・ムラ)を洗い出して排除し、業務改善を図ることです。業務を効率化する方法は改善する内容によって様々なものがあります。
例えば、コミュニケーションロスや連携不足が原因であれば、無線やチャットツールの導入がおすすめです。手順が決まった単純な作業を削減したいのならば業務の自動化、作業内容によっては外注依頼をするといった方法もあります。
そのため、業務効率化を図る際は、課題点は何かしっかりと把握した上で、自社に適した解決策は何かをしっかりと検討しなければなりません。
生産性向上との違い
「生産性向上」とは、少ない資源のインプットで、高いアウトプットを得ることです。一方、業務効率化はムリ・ムダ・ムラの3Mを排除することで、投入するリソースを削減し、削減前と同等の成果を出すことを目指します。
したがって、業務効率化は生産性を向上させるための方法の1つであり、広義的にみれば同じ意味だといえるでしょう。
業務効率化の3つのメリット
業務効率化のメリットとして次の3つが挙げられます。
- 利益の拡大
- 従業員満足度の向上
- 時間的コストの削減
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.利益の拡大
業務の効率化によって利益の拡大につなげられます。前述のとおり、業務効率化は生産性を向上させるための方法の1つです。
業務効率化に成功すれば、生産性が向上するため、少ないコストで大きな利益を得られるようになります。また、業務効率化によって少ない人材で現状の業務をこなせるようになれば、残った人材を別の業務に回したり、新規事業に着手させたりするなどの余裕が生まれます。
業務を効率化することで、利益拡大のチャンスを広げることも可能です。
2.従業員満足度の向上
業務効率化によって残業時間の削減や従業員1人当たりの負担軽減できれば、ライフワークバランスの充実によって従業員のモチベーションを向上させられます。これらを実現できれば、結果として従業員満足度の向上に寄与できるでしょう。
また、従業員満足度が向上すれば、従業員の定着率向上にもつなげられるため、離職による人材流出および従業員不足のリスクを軽減させることも可能です。
3.時間的コストの削減
時間的コストの削減も業務効率化のメリットの1つです。業務を効率化すれば、業務に潜む3M(ムリ・ムダ・ムラ)を排除できるため、作業時間を削減できます。
作業時間を削減できれば、残業時間を削減できるため、残業によって発生する人件費や水道光熱費といったあらゆるコストを削減することが可能です。
業務効率化の2つのデメリット
業務効率化のデメリットとして次の2つが挙げられます。
- 業務効率が悪くなるリスクがある
- セキュリティリスクやコストが大きくなる
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.業務効率が悪くなるリスクがある
効率化を図るために業務プロセスを変更した場合、新しいプロセスを覚えたり、慣れたりするために手間がかかるため、業務効率が悪くなる可能性があります。
そのため、説明会を実施したり、マニュアルを準備したりするなど、事前準備をしっかりとすることが大切です。
2.セキュリティリスクやコストが大きくなる
業務効率化によってセキュリティリスクやコストが大きくなる可能性もあります。このデメリットが顕著に表れるのが、ITツールの導入です。
ITツールは非常に便利なツールではありますが、サイバー攻撃や情報漏洩といったリスクがあります。そのため、セキュリティ対策はもちろん、情報セキュリティの社内研修を実施するなどして、セキュリティリスクの低減を図らなければなりません。
また、導入するITツールによっては導入費やランニングコストがかかるため、業務効率化前よりもコストがかかるリスクもあります。そのため、予算やツールの機能などをしっかりと確認しながら、費用対効果の高いツールを選ぶことが大切です。
業務効率化を進める際の6ステップ
業務効率化を進める手順は次の6ステップです。
- 業務内容の把握
- 課題の洗い出し・優先順位をつける
- 手法やツールの選択・必要なコストの算出
- 具体的なスケジュール立案
- 事前準備・改善策の実施
- 効果検証・フィードバック
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.業務内容の把握
まずは現状の業務内容を把握していきます。業務内容を把握する際は、業務プロセスだけでなく、担当部署や担当者、必要なスキル、発生頻度などもまとめておきましょう。
これらをしっかりとまとめておけば、業務内容を整理しやすく、課題も見つけやすくなります。
2.課題の洗い出し・優先順位をつける
現状の業務内容を把握したら、課題点を洗い出します。課題点を洗い出したら、業務改善を進める優先順位をつけていきましょう。
課題点を複数見つけても、それらを一気に改善することはできません。効率よく改善していくためには、実効性やコストなどを加味しながら、課題に優先順位をつけていく必要があります。
3.手法やツールの選択・必要なコストの算出
改善を進める順番が決まったら、業務を効率化するための手法やツールを選択していきましょう。業務の自動化であればRPA、コミュニケーションロスの改善であればチャットツールや無線、業務を外注するアウトソーシングなど、様々な手法やツールがあります。
そのため、業務・自社の状況を加味して適切な手法やツールを選択するとともに、必要なコストを算出して、予算内に収まるかどうかを確認します。
4.具体的なスケジュール立案
改善すべき業務と効率化するための手法やツールが決まったら、どのように取り組んでいくのか、具体的なスケジュールを立案していきましょう。業務効率化のスケジュールは、提案書の作成から業務効率化の完了までを実施期間として定めるのが一般的です。
また、予期せぬ問題やトラブルが発生して、想定どおりに効率化が進まないリスクもあります。そのため、想定どおりに効率化が進まないことも考慮して、余裕を持ったスケジュールにしておくことも大切です。
5.事前準備・改善策の実施
現場の混乱を最小限に抑えて、スムーズに移行するためには事前準備が欠かせません。ツールの導入や業務プロセスの変更を現場に通達するとともに、マニュアル策定や説明会を実施するなどして、事前準備を進めていきましょう。
事前準備をしっかりと行った後、閑散期など現場が余裕を持って対応できるタイミングで、改善策を実施していきます。
6.効果検証・フィードバック
改善策を実施して終了というわけではありません。しっかりと準備をして最適な手法・ツールを導入しても、想定どおりに効果が出るとは限らないからです。
そのため、定期的に効果検証しながら、フィードバックを行い、継続的に改善していくことが、業務効率化の成功には欠かせません。
業務効率化を進める際の4つのポイント
業務効率化を進める際のポイントとして次の4つが挙げられます。
- ツール導入時は事前準備をしっかりと行う
- スモールスタートを心がける
- 使いやすいツールを導入する
- 従業員に理解してもらう
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.ツール導入時は事前準備をしっかりと行う
ツール導入時には事前準備をしっかりと行うことが大切です。実際に業務を行っている従業員に対して事前の説明などを行わないまま、ツールを導入したり、業務プロセスを変更したりすると当然、反感を招きます。
また、業務プロセスの変更に従業員が対応できないため、業務の非効率化を招いてしまうでしょう。スムーズに切り替えるためには、ツールの導入を通達するとともに、マニュアルの策定や、説明会の実施、スケジュール的に対応しやすい時期に導入するといった事前準備が欠かせません。
2.スモールスタートを心がける
スモールスタートを心がけることも業務効率化を進める際のポイントです。「スモールスタート」とは、業務の1部分から効率化をはじめるという意味です。
例えば、業務効率化のためにツールを導入したとしても、想定したとおりの効果を得られるとは限りません。そのため、いきなり企業全体にツールを導入してしまうと、失敗するリスクが高くなる他、ツール次第では企業活動が停止する事態に発展する恐れもあります。
部分的にはじめるスモールスタートであれば、想定したとおりの効果を得られなくても、変更や撤退しやすいといったメリットがあります。万が一、問題が発生したとしても、影響が部分的となるため、企業活動が停止する心配もありません。
以上の点から、業務を効率化する際はスモールスタートを心掛け、検証とフィードバックを繰り返しながら、徐々に適用する範囲を広げることをおすすめします。
3.使いやすいツールを導入する
業務効率化に向けてツールを導入する際は、できるだけ使いやすいものを選ぶようにしましょう。従業員の中にはITツールの操作に慣れていない方もいらっしゃいます。
そのため、使いづらいシステムを導入してしまうと、業務の非効率化が深刻化してしまいます。業務の効率化を成功させて、ツールの定着を図るためには、ITツールが苦手な方でも操作しやすいシンプルなツールを選ばなければなりません。
4.従業員に理解してもらう
事前準備に近いですが、従業員に理解してもらうことも業務効率化を進める際は押さえておくべきポイントです。上司から指示があったからという姿勢で運用してしまうと、ツールの定着率は向上しない他、業務効率化による成果は得にくくなります。
そのため、なぜ業務効率化が必要なのか、業務プロセスの変更によってどのように効率化するかなどをしっかりと理解してもらい、従業員が主体的に取り組む意識へと変えていくことも大切です。
業務効率化のおすすめツール・サービス
業務効率化のおすすめツール・サービスとして次の4つが挙げられます。
- ビジネスチャットツール
- オンラインミーティングツール
- クラウドストレージサービス
- RPA
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.ビジネスチャットツール
部署間や従業員同士の連携が上手くいっていないという場合、ビジネスチャットツールを活用するとよいでしょう。
1対1やグループなど、必要な範囲で簡単にコミュニケーションが取れる他、メールよりも気軽にスピーディな情報共有が可能です。
2.オンラインミーティングツール
必要な会議が多く、会議数が削減できない場合、オンラインミーティングツールを導入するとよいでしょう。
オンラインミーティングを活用すれば参加者はどこにいても会議に参加できるため、移動に要する時間やコストを削減することが可能です。
3.クラウドストレージサービス
部署全体や社内全体でデータを共有・管理したいのであれば、クラウドストレージサービスを導入するとよいでしょう。
クラウドストレージサービスを利用すれば、自宅や外出先からでもデータの保存・閲覧が可能となります。
4.RPA
データ入力などの単純作業が負担となっている場合、「RPA」の導入がおすすめです。「RPA(Robotic Process Automation)」とは、パソコンで行っている単純作業をロボットが代行してくれるツールです。
RPAを導入すれば、事務的作業を自動化できるため、業務の効率化を図れます。
現場での業務効率化を図るなら「無線」がおすすめ!
現場でのコミュニケーションを円滑にし、業務効率化を図るなら「無線」がおすすめです。無線を導入すれば、1人対複数人で情報発信できるため、工場や建築現場などで、スムーズな情報共有が行えます。
また、イヤホンマイクやタイピンマイク&イヤホンを接続すれば、外部に音声が漏れる心配がないため、飲食店やホテル、結婚式場などでも雰囲気を壊すことなく活用することが可能です。
無線は「特定小電力トランシーバー」「簡易無線」「IP無線」といった種類があり、通信距離が異なる他、機種ごとに機能も様々です。そのため、使用環境や通信距離を加味しながら、適した無線・機種を選ばなければなりません。
まとめ
業務効率化とは、現状の業務プロセスから3M(ムリ・ムダ・ムラ)を排除して、業務改善を図ることです。生産性を向上させる手段の1つであるため、業務効率化を成功させられれば、生産性も向上させられます。
しかし、業務を効率化させる方法は様々ですし、同じ課題点であっても自社の状況によって、優先順位や適切な手法・ツールは異なります。そのため、業務効率化を成功させるためには、課題点を洗い出した後にしっかりと順位付けを行い、自社に適した手法・ツールを選んで、効果検証を行っていくことが重要です。