アマチュア無線のおすすめメーカーは?概要についても解説!
アマチュア無線は個人が趣味として楽しむ範囲で使用できる無線です。各種無線と比較すると、馴染みがない方も多いですが、様々な無線メーカーがアマチュア無線を取り扱っています。
そのため、代表的な無線メーカーであれば問題なくアマチュア無線の購入が可能です。今回はアマチュア無線のおすすめメーカーや概要、資格について解説します。
アマチュア無線のおすすめメーカー
アマチュア無線のおすすめメーカーとして次の4社が挙げられます。
- 八重洲無線
- ケンウッド
- アイコム
- アルインコ
それぞれ詳しくみていきましょう。
八重洲無線
「八重洲無線」は60年以上の歴史がある国内の老舗無線総合メーカーです。アマチュア無線をはじめ、船舶・航空無線機器、業務用無線といった各種無線機器も手がけています。
どの機種も高い基本性能と堅牢性を兼ね備えている他、低価格設定でコストパフォーマンスが高いため、人気の高い無線メーカーです。
ケンウッド
「ケンウッド」は株式会社JVCケンウッドが提供している無線のブランドです。最小化・軽量化を目指している無線メーカーで、様々な環境下での使用を想定して過酷なテストを合格している信頼性の高い無線となっています。
株式会社JVCケンウッドの前身は株式会社ケンウッドで無線機器だけでなく、オーディオ機器を手がけていました。
ケンウッドは無線の音質にもこだわり、高い技術力を誇っていますが、これは前身企業である株式会社ケンウッドがオーディオ機器メーカーとしても有名だったことに起因しています。
アイコム
「アイコム」は60年以上の歴史を誇る日本の総合無線メーカーです。日本で初めて可搬型無線を開発した携帯無線メーカーで、技術力にも定評があるため、国内無線メーカーでありながら、世界でも屈指の無線メーカーとなっています。
アマチュア無線をはじめ、陸上・海上・航空用の業務用無線や衛星通信無線、IP無線と幅広い無線機器を提供しています。
アルインコ
「アルインコ」は1938年に創業した企業です。無線機器の開発・製造・販売を行っていますが、元々は仮設機材の開発・製造・販売や仮設足場、医療機器の開発・販売など幅広いサービスを展開しています。
元々、建材メーカーという強みを活かし、他の無線メーカーにはない個性的な製品を提供している他、利用者目線に立った価格設定とアフターサービスの充実を図っています。
そもそもアマチュア無線とは?
「アマチュア無線」とは、無線工作や世界中の人との交信など、個人が趣味として楽しむ範囲で使用できる無線です。総務省の電波利用ホームページでは、アマチュア無線を次のように定義しています。
アマチュア無線は、電波法令により「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う」ものとされており、世界中の人との交信や無線機の工作といった無線技術への興味による趣味として知られています。
また、今日では、非常災害時等のボランティア活動などの社会貢献活動にも活用されています。
引用:総務省電波利用ホームページ-「アマチュア無線は仕事に使えません!」
アマチュア無線は業務での使用はできません。
アマチュア無線を業務で使用した場合、無線従事者免許や無線局免許を所有していても、電波法違反となり、1年以上の懲役または100万円以下の罰金に科せられるため、注意が必要です。
アマチュア無線の資格
アマチュア無線の資格は大きく4つに分類されます。資格の種類と操作可能な範囲は次のとおりです。
資格種類 | 操作可能な範囲 |
第1級アマチュア無線技士 | アマチュア無線局の無線設備の操作 |
第2級アマチュア無線技士 | アマチュア無線局の空中線電力200W以下の無線設備の操作 |
第3級アマチュア無線技士 | アマチュア無線局の空中線電力50W以下の無線設備で18メガヘルツ以上または8メガヘルツ以下の周波数の電波を使用するものの操作 |
第4級アマチュア無線技士 | アマチュア無線局の無線設備で次に掲げるものの操作(モールス符号による通信を除く) 空中線電力10W以下の無線設備で21メガヘルツから30メガヘルツまでまたは8メガヘルツ以下の周波数の電波を使用するもの 空中線電力20W以下の無線設備で30メガヘルツを超える周波数の電波を使用するもの |
引用:一般社団法人日本アマチュア無線連盟-「アマチュア無線を楽しむための資格」
アマチュア無線の資格取得方法
アマチュア無線の資格取得方法を次の4項目に分けて解説します。
- 第1級アマチュア無線技士
- 第2級アマチュア無線技士
- 第3級アマチュア無線技士
- 第4級アマチュア無線技士
それぞれ詳しくみていきましょう。
第1級アマチュア無線技士
「第1級アマチュア無線技士」は、公益財団法人 日本無線協会が実施している「第1級アマチュア無線技士国家資格」を受験・合格すれば取得可能です。
第1級アマチュア無線技士国家資格は、4・8・12月の年3回開催されています。
参考:一般社団法人日本アマチュア無線連盟-「アマチュア無線を楽しむための資格」
第2級アマチュア無線技士
「第2級アマチュア無線技士」の取得方法は2つあります。
1つ目が、公益財団法人日本無線協会が実施している「第2級アマチュア無線技士国家資格」を受験・合格して取得する方法です。第2級アマチュア無線技士国家資格は、4・8・12月の年3回開催されています。
もう1つは、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)が開催しているeラーニングを受講し、修了試験に合格して取得する方法です。
参考:一般社団法人日本アマチュア無線連盟-「アマチュア無線を楽しむための資格」
第3級アマチュア無線技士
「第3級アマチュア無線技士」の取得方法は大きく分けて3つあります。
1つ目が、公益財団法人日本無線協会が実施している「第3級アマチュア無線技士国家資格」を受験・合格して取得する方法です。
2つ目が、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)が開催しているeラーニングを受講する方法です。受講後、修了試験に合格すれば、資格を取得できます。
3つ目は一般財団法人日本アマチュア無線振興協会などが主催している「養成過程講習会第3級短縮コース」を受講する方法です。受講後、修了試験に合格すれば、資格を取得できます。
ただし、養成過程講習会第3級短縮コースを受講するためには、第4級アマチュア無線技士の資格を取得しておかなければなりません。
参考:一般社団法人日本アマチュア無線連盟-「アマチュア無線を楽しむための資格」
第4級アマチュア無線技士
「第4級アマチュア無線技士」の取得方法は2つあります。
1つ目が、公益財団法人日本無線協会が実施している「第4級アマチュア無線技士国家資格」を受験・合格して取得する方法です。
もう1つは、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会などが主催している「養成過程講習会第3級短縮コース」を受講する方法です。受講後、修了試験に合格すれば、資格を取得できます。
参考:一般社団法人日本アマチュア無線連盟-「アマチュア無線を楽しむための資格」
アマチュア無線の開局申請方法
アマチュア無線の開局申請方法は次の2パターンによって異なります。
- 技術基準適合証明設備のみを使用する場合
- 技術基準適合証明外の設備を使用する場合
それぞれ詳しくみていきましょう。
技術基準適合証明設備のみを使用する場合
技術基準適合証明設備のみを使用する場合のアマチュア無線開局申請方法は次の2通りです。
- 電子申請
- 書面申請
それぞれ詳しくみていきましょう。
電子申請
アマチュア無線の開局を電子申請する場合、「総務省 電波利用電子申請・届出システムLite」から手続きを行います。電子申請による手順は以下のとおりです。
- 総務省 電波利用電子申請・届出システムLiteの新規ユーザー登録(ユーザーID・パスワードの発行・設定)
- 電波利用電子申請・届出システムから必要な書類データを申請・届出
- 手数料の支払い
- 免許状の受け取り方法確認
ユーザー登録を完了していれば、システムへのログインだけですみます。したがって、ステップ1の新規ユーザー登録は不要です。
書面申請
アマチュア無線の開局を書面で申請する際の手順は以下のとおりです。
- 「免許申請書」と「無線局事項書および工事設計書」の申請用紙を準備
- それぞれの申請用紙に必要事項を記入
- 手数料分の収入印紙を申請書に貼り付け
- 必要額の返信用切手を貼り付けた返信用封筒を同封し、関東総合通信局へ提出
技術基準適合証明外の設備を使用する場合
技術基準適合証明外の設備および、技術基準適合証明設備と併せてそれ以外の設備を使用する場合、申請には保証が必要です。
手続き方法については、以下の保証事業者に問い合わせる必要があります。
問い合わせ先 | 電話番号 |
TSS株式会社 | 03-6261-3686 |
一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)保証事業センター | 03-3910-7263 |
アマチュア無線の申請手数料・電波利用料
アマチュア無線の申請手数料は次のとおりです。
書面申請手数料 | 電子申請手数料 | |
50W以下の開局申請手数料 | 4,300円 | 2,900円 |
50W超の海峡申請手数料 | 8,100円 | 5,500円 |
再免許申請手数料 | 3,050円 | 1,950円 |
無線局免許状の再交付申請手数料 | 1,300円 | 1,150円 |
アマチュア無線の電波利用料は年間300円で、起算日は免許日および当日です。例えば、2022年12月1日が免許日であれば、2023年以降の毎年12月1日に利用料が発生します。
また、電波利用料は免許が有効であれば、無線の運用有無や機器所有にかかわらず発生するため、利用料の支払いを停止するには、廃止届を提出しましょう。
業務でも使用できる無線
業務でも使用できる無線として次の3つが挙げられます。
- 特定小電力トランシーバー
- 簡易無線
- IP無線
それぞれ詳しくみていきましょう。
特定小電力トランシーバー
「特定小電力トランシーバー」とは、送信出力が0.01W以下と周りの電波に干渉するリスクが少ない無線です。総務省の電波利用ホームページでは、特定小電力トランシーバーを次のように定義しています。
3 コードレス電話、小電力セキュリティシステム、小電力データ通信システム、デジタルコードレス電話、PHCの陸上移動局、狭域通信システム(DSRC)の陸上移動局、ワイヤレスカードシステム、特定小電力無線局等の特定の用途及び目的の無線局であり、次の条件をすべて満たすもの。
- 空中線電力が1W以下であること。
- 総務省令で定める電波の型式、周波数を使用すること。
- 呼出符号または呼出信号を自動的に送信しまたは受信する機能や混信防止機能を持ち、他の無線局の運用に妨害を与えないものであること。
- 技術基準適合証明を受けた無線設備だけを使用するものであること。
送信出力が低い分、通信距離は市街地で100~200m程度、見通しの良い場所で1~2km程度と他無線と比較して短く、壁など遮蔽物があると通信しにくいといったデメリットがあります。
ただし、免許不要で使用できるため、入手後すぐに使用することが可能です。通信距離が短くても問題ない場合は、特定小電力トランシーバーを導入するとよいでしょう。
簡易無線
「簡易無線」とは、無線従事者資格を取得していなくても、簡易的に使用できる無線です。簡易無線は「登録局」と「免許局」の2種類があります。
「登録局」は、業務利用はもちろん、個人がレジャーなどプライベートな目的で使用可能な無線です。登録しておけば、レンタル無線として貸し出すこともできます。
「免許局」は業務利用目的のみに使用できる無線です。免許局は登録局と違って、プライベート目的での使用ができません。
また、免許を取得した団体に所属している方のみが使用できます。他の団体や個人へのレンタルは行えないため、利用する際は注意しましょう。
IP無線
「IP無線」とは、携帯電話回線を使用した無線です。携帯の電波が届く場所であれば、距離制限なく通信可能な他、携帯電話と同様、同時通話による双方向コミュニケーションが行えます。
ただし、災害の発生で回線が混雑した際は通信が安定しない、山間部・地下といった携帯電波が届かない場所では通信できないなどのデメリットもあるため、使用する際は注意が必要です。
まとめ
アマチュア無線は個人が趣味として楽しむための無線です。一般的に使用している無線と同様、様々な無線メーカーがアマチュア無線を販売しているため、本記事で紹介しているメーカーからアマチュア無線を購入できます。
ただし、アマチュア無線は業務目的として利用できません。業務目的に利用してしまうと電波法違反となるため、アマチュア無線を購入・利用する際は十分注意しましょう。