インカムの代表的なメーカー6社とは?おすすめの機種も紹介!
インカムはイヤホンもしくはヘッドセットを装着し、会話を行える通信機器です。インカムには様々なメーカーがあり、特徴や代表的な機能、保証内容などはそれぞれ異なります。
したがって、インカムを導入する際は、機種だけでなく、どのようなメーカーなのか、使用環境に適している製品を開発しているのかも加味しなければなりません。
今回はインカムの概要と代表的なメーカー6社を解説します。
インカムとは?
「インカム」の正式名称は「インターコミュニケーションシステム」、インターカム(Intercom)とも呼ばれる通信機器です。相互通信という意味を持つ「インターコミュニケーション(Intercommunication)」が名前の由来となっています。
インカムはイヤホンもしくはヘッドセットを装着し、会話を行える通信機器のため、スムーズなコミュニケーションが可能です。インカムはもともと内線電話の仕組みを用い、敷地内通信を目的に開発されました。
しかし、時間の経過とともに無線通信が可能となり、現在ではイベントや飲食店、結婚式場など、様々な現場で活用されています。インカムと携帯電話の大きな違いは、1人対複数人との通話が可能な点です。また、同時通話も可能なため、複数人でタイムリーな音声やりとりを行えます。
また、特定小電力トランシーバーや簡易無線といった無線に、イヤホンやヘッドセットを装着し、インカムとして活用することも可能です。ただし、特定小電力トランシーバーや簡易無線の通話方式は交互通信となるため、同時通話は行えません。
無線をインカムとして使用した際に同時通話を用いたい場合は、同時通話無線やIP無線を導入しましょう。
インカムの代表的なメーカー
インカムの代表的なメーカーは次の6社です。
- 八重洲無線
- モトローラ
- ケンウッド
- アイコム
- アルインコ
- CSR
次項より各インカムメーカーの概要やおすすめ無線についてみていきます。
八重洲無線とは?
「八重洲無線」とは、1956年に設立され、60年以上の歴史を持つ国内では老舗の無線メーカーです。現在の本社は東京都品川区ですが、1965年に東京・八重洲に本社を移転したことが、「八重洲無線」という社名の由来となっています。
「スタンダードホライゾン STR(Superior Technology Radio)」は八重洲無線が展開している主力ブランドの1つです。八重洲無線は無線の総合メーカーとして、特定小電力トランシーバーや業務用無線、航空無線、船舶目線、アマチュア無線といった各分野の無線通信機器を開発・提供しています。
特に業務用無線機は特定小電力トランシーバーや簡易無線など、様々なカテゴリを取り扱っている他、機種のラインナップも豊富です。また、どの機種もプロフェッショナルな現場での使用を想定しているため、優れた堅牢性と高い基本性能を有しています。
業務用無線の主力商品には無線本体に3年の製品保証がついているのも特徴です。八重洲無線の各種無線は高機能でありながら、低価格な設定であるため、コストパフォーマンスが高く、人気が高いメーカーとなっています。
八重洲無線のおすすめ無線「SRFD1」
「SRFD1」とは八重洲無線が提供している特定小電力トランシーバーです。「SRFD1」の特長は以下のとおりです。
- 3者間の同時通話が可能
- Bluetoothに対応している
- ファミックスシステム(FAMICS)を搭載している
商品:SRFD1 八重洲無線
モトローラとは?
「モトローラ」は1928年に設立され、90年以上の歴史を持っている無線メーカーで、トランシーバーを世界で初めて開発したメーカーとして有名です。軍事用として採用されるほど高品質かつ高性能の製品を多く開発・提供している他、顧客満足度を向上させるために様々な施策を行っており、シェア率は世界50%以上を誇ります。
モトローラが取り扱っている製品は「特定小電力トランシーバー」「簡易無線」「一般業務用無線」「IP無線」「MCA無線」の5つで、シンガポールをはじめとしたアジア圏内での販売に注力しています。
また、公共安全組織の顧客安全性・生産性を維持するテクノロジーと製品提供に注力するために、「モトローラソリューションズ」を展開しています。
モトローラのおすすめ無線「MiT7000」
「MiT7000」はモトローラが提供している免許局の簡易無線です。「MiT7000」の特長は以下のとおりです。
- 軽量・薄型で負担なく使用できる
- デジタル特有の音声遅延を極限まで短縮しストレスのない通信が可能
- 2015年にグッドデザイン賞を受賞
ケンウッドとは?
「ケンウッド」とは、株式会社JVCケンウッドが展開している製品ブランドの名称です。ケンウッドは元々株式会社ケンウッドとして、無線などの機器を製造・提供していました。
しかし、2007年に日本ビクター株式会社と経営統合したことで、現在の企業名および企業形態である株式会社JVCケンウッドが誕生し、ケンウッドブランドとして無線製品を提供しています。
ケンウッドの無線は様々な環境で使用することを想定し、過酷なテストをクリアした信頼性の高い製品です。
また、前身企業であるケンウッドはオーディオ機器メーカーとしても有名な企業でした。そのため、無線にもオーディオ機器メーカーの技術を駆使していることから、高音質には定評があります。
ケンウッドのおすすめ無線「UBZ-LS20」
「UBZ-LS20」はケンウッドが提供している特定小電力トランシーバーです。「UBZ-LS20」の特長は以下のとおりです。
- ハンズフリー運用が可能
- 9chと11chを1つの無線に搭載し合計20chの交互交信が対応
- 電波状況をひと目で確認できる「電波メーター」を搭載している
アイコムとは?
「アイコム」とは、1954年に設立され、60年以上の歴史がある日本の総合無線メーカーです。アイコムは日本で初めて持ち運びや移動が可能な無線を開発した携帯無線メーカーの草分け的な存在となっています。
また、技術力に定評がある他、価格もリーズナブルな設定であるため、業務用無線のスタンダードモデルとしても人気があり、日本企業でありながら、世界屈指の無線メーカーです。
アイコムはアマチュア無線や業務用無線を取り扱っており、特に業務用無線は陸上・海上・航空用無線をはじめ、衛星通話無線やIP無線といった幅広いジャンルの無線を開発・提供しています。
アイコムの特長
アイコムの特長として次の2つが挙げられます。
- バランスの取れた無線性能
- 国内生産にこだわっている
それぞれ詳しくみていきましょう。
バランスの取れた無線性能
優れた耐久性を保持している他、デザインがシンプルなため、操作しやすいのがアイコムの特長です。
また、音声もクリアであるため、バランスの取れた無線性能を要しています。商品のラインナップも豊富であるため、使用状況や使用者の好みにあったものを選べるでしょう。
国内生産にこだわっている
アイコムは無線の国内生産にこだわり、設計と生産の連携体制を貫いているのが特長です。そのため、創業時から現在に至るまで、自社で設計し、開発した製品を国内拠点である和歌山アイコムで生産を行っています。
国内生産を行うことで、細かいユーザーニーズに対応することが可能です。
アイコムのおすすめ無線「IC-4400L」
「IC-4400L」はアイコムが提供している特定小電力トランシーバーです。「IC-4400L」の特長は以下のとおりです。
- 単3形乾電池1本で約24時間、オプションの充電式電池BP-260で約20時間の運用が可能
- サブチャンネルPTT機能を搭載している
- LAN/LTE接続対応の中継装置に対応している
アルインコとは?
「アルインコ」は仮設機材の開発と製造、販売をメインに1938年、大阪で創業した企業です。日本国内はもちろん、現在はタイや中国等にも進出し、グローバルに市場展開しています。
仮設機材メーカーとして誕生しましたが、仮設足場やアルミ型材の加工・販売を行っている他、無線通信関連機器や各種DIY関連製品の開発・製造・販売を行っています。また、オクトシステムの総合レンタルサービスや医療機器・フィットネス関連製品の開発・販売など、幅広いサービス展開を行っている企業です。
無線機器としては、特定小電力トランシーバーやデジタル簡易無線、ビジネス専用無線など幅広い製品を提供しています。
アルインコの特長
アルインコの特長として次の2つが挙げられます。
- 他社とは一線を画す製品ラインナップ
- 顧客目線のサービス展開
それぞれ詳しくみていきましょう。
他社とは一線を画す製品ラインナップ
アルインコは元々仮設機材などを取り扱う建材メーカーでした。
そのため、携帯電話のような同時通話が可能な特定小電力トランシーバー、アルインコ特有の通話方式を搭載したデジタル簡易無線など、他メーカーが提供している無線と比較すると一線を画す製品が多いです。
顧客目線のサービス展開
アルインコの無線は性能が高いながら、リーズナブルな価格設定であるため、導入コストを抑えて無線を導入できます。
また、修理やメンテナンスだけでなく、部品販売や製品の取扱い相談もフリーダイヤルで対応している他、営業出荷した製品でも最低5年間のアフターサービスを受けることが可能です。
アルインコのおすすめ無線「DJ-P222」
「DJ-P222」はアルインコが提供している特定小電力トランシーバーです。「DJ-P222」の特長は次のとおりです。
- バリエーションはロングアンテナとミドルアンテナの2種類
- 単身通話チャンネル20chと中継器チャンネル27chの合計47chが実装されている
- コールバックやハンズフリーといった豊富な機能が搭載されている
CSRとは?
「CSR」とは、2004年に創業した企業です。歴史は他の無線メーカーと比較すると短いものの、手軽に使えて高い堅牢性と軽量化を両立した無線や、免許・資格不要で使える特定小電力無線機など数々の現場に対応できる無線を取り扱ってきました。
また、CSRは無線機器だけでなく、音響機器や業務用カラオケ機器、音楽教育機器、美容機の販売と幅広く行っています。自社ブランド製品は設計から製造、アフターサービスまで「made in Japan」にこだわった高品質です。
消防隊員や救急隊員が使用する消防救急受令機や、災害時に起動信号を受信し自動的に緊急放送を放送する緊急告知防災ラジオなども提供しており、いざという時にも強い安心感のある製品を提供しています。
CSRの特長
CSRの特長として次の3つが挙げられます。
- 「made in Japan」にこだわった高品質
- 電波が弱い場所での通信に威力を発揮する
- 無線の周辺機器も充実
それぞれ詳しくみていきましょう。
「made in Japan」にこだわった高品質
CSRは日本マランツという戦後からあるオーディオ機器や通信機器を製造する企業のルーツを受け継いでおり、その独自の技術力を背景にした商品企画力で企画開発から生産、販売まで一貫した製品展開を行っています。
そのため自社ブランドはこだわりの設計、製造、アフターサービスまで一貫した高品質の「made in Japan」製品を取り扱っているのです。
電波が弱い場所での通信に威力を発揮する
消防救急受令機や、緊急告知防災ラジオも取り扱っていると記載した通り、災害時に役立つアナログ無線機も取り扱っています。
デジタル/アナログ複合機で切り替えができ、地形の変わってしまった災害時でも途切れることなく通信ができます。
またデジタル無線より音質が悪いとされるアナログ無線ですが、ノイズキャンセル機能が付いています。
無線の周辺機器も充実
CSRでは、無線だけでなく、中継器やマイクスピーカー、アンテナや急速充電器など、無線の周辺機器も提供していきます。
そのため、CSRは一般使用者や事業者だけでなく、行政や図書館などの公的機関が導入する機器の相談も可能なメーカーといえるでしょう。
CSRのおすすめ無線「VXD460U」
「VXD460U」はCSRが提供している携帯型デジタル簡易無線です。「VXD460U」の特長は次のとおりです。
- 録音メッセージをボタン1つで送信できるクイックアンサー
- 周囲が騒がしくても通話しやすい音量自動調整機能
- 複数のチャンネルをスムーズに切り替えられるスキャン機能
商品:VXD460U CSR
まとめ
「インカム」はイヤホンやヘッドセットを装着して会話できる通信機器です。インカムを使用すれば、1人対複数人かつ同時通話が可能なため、複数人でタイムリーなやりとりを行えます。
また、イヤホンやヘッドセットを装着すれば、一般の無線でもインカムとして使用可能ですが、同時通話無線やIP無線を活用しなければ同時通話は行えません。また、インカムのメーカーも様々あり、各メーカーによって特徴も異なります。
使用環境や必要な機能、メーカー保証などを加味しながら、慎重に機種を選ぶようにしましょう。