業務用無線とは?種類や活用タイミング、おすすめの商品をご紹介!
業務用無線は、業務を円滑に進めるための連絡や情報の手段として活用される無線です。現在、様々なシーン・用途で使用されています。
ただし、業務用無線にも様々な機種があるため、シーンに適した機種を選択しないと思ったように通信できないという事態になりかねません。
今回は、業務用無線の概要や種類、活用タイミング、おすすめの商品について紹介していきます。
業務用無線とは?
「業務用無線」とは、業務上の通信手段として使用されている無線のことです。航空無線や防災無線、一般業務用無線など、用途ごとに分類されています。
無線には様々な種類がありますが、業務用無線として使用されることが多いのは、簡易無線(登録局・免許局)や特定小電力トランシーバーなどです。
アマチュア無線との違い
業務用無線とアマチュア無線の大きな違いは、使用目的です。業務用無線は、ビジネスのための連絡・情報手段として使用される無線です。
一方、アマチュア無線は、個人的な無線への興味や探求心のなかで使用できる無線となります。ただし、個人の興味や探求心で使用できるとはいえ、アマチュア無線技士の資格は必要です。
また、無線局を開設する際、業務無線と同じで無線免許上の申請が必要になります。事前に確認しておきましょう。違法ではないと勘違いしながら業務用無線を使用しているケースがあります。
業務用無線の3つの種類
当記事では業務用無線として使用される無線の中でも頻度の多い以下3種類の無線について紹介します。
各無線の違いは以下のとおりです。
特定小電力トランシーバー | 登録局 | 免許局 | |
---|---|---|---|
通信距離 | 500mから1km程度(遮蔽物が多い場合は100m程度) | 約1〜5㎞(見通しがよい場合は10km程度) | 約1〜5㎞(見通しがよい場合は10km程度) |
免許・登録 | 不要 | 登録申請が必要 | 免許申請が必要 |
通信用途 | レジャー用業務用 | レジャー用業務用 | 業務用のみ |
レンタル可否 | 可能 | 可能 | 不可 |
送信出力 | 0.01W以下 | 1~5W | 1~5W |
チャンネル数 | 9chもしくは9ch+11ch | UHF帯:デジタル30ch/上空用5ch | UHF帯:アナログ35ch/デジタル65ch VHF帯:アナログ9ch/デジタル19ch |
1.特定小電力トランシーバー
特定小電力トランシーバーとは、送信出力が0.01W以下の無線です。送信距離に影響する出力が小さく制限されているため、周りの電波に干渉するリスクが少ないことから、免許不要で使用できます。
低価格で販売されている他、購入後すぐに使用できるため、導入しやすい無線です。ただし、出力が小さい分、特定小電力トランシーバーの通信距離は500mから1km程度、ビルなどが多い市街地では100m程度と広くありません。
2.登録局
「登録局」は、使用目的を選ばない簡易無線です。業務以外にも、レジャーやアウトドアなど様々な目的に合わせて使用できます。
登録申請や開設届さえ行えば、申請者以外の方でも使用できます。特定小電力トランシーバー同様、レンタルでの利用も可能なため、一時利用の方でも使用可能です。
しかし、登録局はチャンネル数が30チャンネルで、免許局と比較すると混信しやすいといったデメリットが挙げられます。
3.免許局
「免許局」とは、法人や組織などが業務利用することを目的とした簡易無線です。高出力な5Wの機種が主流のため、距離が遠い場所や階を隔てた場所でも通信ができる、チャンネル数が65チャンネルと豊富といったメリットがあります。
利用する個人が資格を取得する必要はないものの、無線1台ごとに免許が必要です。また、免許を取得している団体に所属している人しか使用できないため、他人に貸与することはもちろん、レンタルでの使用もできません。
業務用無線の通信距離
無線を選ぶ際に重要なのが「通信距離」です。通信距離が短いと電波が届かないため、通信ができません。そのため、無線を選ぶ際は、どれくらいの通信距離が必要なのか、把握しておくことが大切です。
また、障害物や遮蔽物が多いと通信距離が縮まってしまいます。そのため、想定したとおりに通信できない可能性があることも考慮しておかなければなりません。
業務用無線が活用する7つのシーン
業務用無線が活用する7つのシーンは以下のとおりです。
- ビル警備
- ホテル・ウェディング会場
- 学校・教育産業
- 倉庫・工場
- 建設・工事現場
- 飲食店・小売店
- 大規模なイベント・アミューズメント会場
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.ビル警備
ビル警備で使用する場合は、免許局の簡易無線がおすすめです。ビル警備の場合、複数階をまたいで通信することが予想されます。
複数回をまたぎで通信する場合、出力が低い特定小電力トランシーバーだと、安定した通信が行えません。安全かつ安定した通信が求められるビル警備では、免許局の簡易無線を使用した方がよいでしょう。
2.ホテル・ウェディング会場
ホテル・ウェディング会場の場合、スムーズに食事やその他のサービスを提供するために、全館で連絡を取らなければなりません。そのため、階を隔てても安定した通信ができる簡易無線がおすすめです。
また、近年はコンパクトでスマートなタイプの簡易無線も販売されています。コンパクトな機種を選べば、身だしなみが不格好になる心配がありません。
3.学校
業務用無線は、学校・教育産業でも活用できます。学校・教育産業で活用できる理由は以下のとおりです。
- 緊急時の誘導や防災訓練時に必要
- 校外学習・遠足で、離れた場所での位置情報共有のため
学校・教育産業で業務用無線を使用する際、使用場所によって機種の種類が異なります。例えば、体育館やグラウンドであれば特定小電力トランシーバーで十分です。しかし、校外学習や遠足などの学外での活動は、広範囲に広がります。
そのため、出力が高い登録局や免許局の簡易無線の使用がおすすめです。
4.倉庫・工場
倉庫・工場は、ワンフロアの中に壁やパーテーションなどがあります。また、大型機械や遮蔽物、冷凍保管する倉庫などがあると、電波が遮断されて、通信距離が縮まってしまうため、出力が小さい特定小電力トランシーバーだと安定した通信が行えません。
したがって、倉庫・工場では、出力が高い簡易無線を使用した方がよいでしょう。
5.建設・工事現場
業務用無線は、建設・工事現場シーンでの活用がおすすめです。業務用無線は、大きな音が発生する建設・工事現場であってもクリアな音質を届けることが可能です。
粉塵や防水性能にも優れているため、故障するリスクを抑えられるでしょう。
6.飲食店・小売店
業務用無線は、飲食店・小売店での活用がおすすめです。理由としては以下が挙げられます。
- 簡単に使用可能
- 接客の邪魔にならず、小型・軽量で選べるから
飲食店・小売店で多く使用されている業務用無線の種類は、特定小電力トランシーバーです。特定小電力トランシーバーは免許・資格が不要なため、飲食店・小売店のようなスタッフの入れ替わりが起こりやすい業種でも導入しやすいといったメリットがあります。
7.大規模なイベント・アミューズメント会場
毎回スタッフが変わったり、会場の規模が変わったりする大規模なイベント・アミューズメント会場では、レンタルしやすい登録局がおすすめです。
また、映像制作や舞台運営など、タイミングを合わせなければならないものだと、遅延が少ないアナログタイプの免許局が使用されています。ただし、アナログ無線は2024年12月1日から使用できなくなるため、注意が必要です。
おすすめの業務用無線6選
ここでは業務用無線として使用されやすい「免許局」「登録局」「特定小電力トランシーバー」のおすすめ製品を紹介します。おすすめ製品は次の6つです。
- SR810UA
- MiT7000
- MiT5000
- TCP-D261
- SR510
- SRS220A
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.SR810UA
SR810UAは、プロクオリティの基本性能と安心安全の信頼性が担保されている業務用無線です。高い堅牢性や多種多様な機能完備によって、使用者の満足度を高く維持しています。
その他にも、SR810UAには下記のような特長があります。
- 65にわたる豊富なチャンネル数の完備
- 800mWの内臓スピーカーを搭載しているため、高音質・大音量の音質を実現
- 防塵・防水性能は最高クラスIP68
- 一度の充電で16時間以上操作可能
- 落下や強い衝撃にも対応
- 豊富なアクセサリの使用ができる
- 安心の3年保証を受けられる
SR810UAは、使用用途を問わず、幅広いシーンで活躍できる製品の1つです。
2.MiT7000
MiT7000は、MOTOROLAが提供している免許局の簡易無線です。薄型・軽量のデバイスを誇る最高水準のデジタル専用無線となっています。
MiT7000の特長は以下のとおりです。
- 防塵・防水性能が高い
- 持ち歩きしやすい製品デザイン
- 落下・衝撃にも強い高耐久ガラスの採用
- 10時間を超える長時間利用可能
MiT7000は、2015年にスタイリッシュなデザインが評価され、グッドデザイン賞を受賞しています。ホテル・ウェディング会場で大活躍する製品です。
3.MiT5000
MiT5000は、MOTOROLAが提供している免許局の簡易無線です。プロの現場でも大活躍しており、用途に合った最高の価値提供を行っています。
MiT5000の特長は以下のとおりです。
- 米国軍用規格に準拠した堅牢性の高いボディ
- 粉塵・防水性能が高い
- モトローラ独自の信頼性テストをクリア
- 高い操作性と通話品質
- 高精細ディスプレイの採用
MiT5000の通信距離は、約1〜3kmです。様々な場所・場面での使用が可能になります。
4.TCP-D261
TCP-D261は、KENWOODが提供している免許局の簡易無線です。抗菌・抗ウイルス剤の空気触媒「セルフィール」が加工されているため、病院やホテルなどの使用におすすめです。
その他にも、TCP-D261には以下の特長があります。
- 業界トップの薄型設計により、持ち運びやすいコンパクトデザイン
- はっきり聞き取りモードの採用
- ディスプレイに全角7文字以上表示
- 擦り傷に強い液晶
- 送受信の時間を短縮
TCP-D261は、IP68相当の防塵・防水性能も完備されているため、場所を問わず使用できます。病院やホテルはもちろん、建設・工事現場などでの使用もおすすめです。
5.SR510
SR510は八重洲無線が提供している登録局の簡易無線です。SR510の特長として以下が挙げられます。
- 最少・最軽量クラスのボディ
- IP68相当の防塵・防水性能を誇る
- 大きなディスプレイを採用し、誰でも使用可能
- 30チャンネルに対応
- 13時間以上のバッテリーライフが可能
- 送信出力2.5Wによって広い通信エリアの確保が可能
- 安心の3年間保証
SR510は、特定小電力トランシーバーでは届かない場所でもクリアな音質で安定した通信が可能です。飲食店や小売店などにおすすめの製品です。
商品:SR510 八重洲無線
6.SRS220A
SRS220Aは、八重洲無線が提供している特定小電力トランシーバーです。高い粉塵・防水性能を誇り、小型でコンパクトなボディを実現しています。
また、単3乾電池1本での運用も可能で、Bluetoothにも対応していることから、ハンズフリー通信も可能です。その他にも、SRS220Aには下記の特長があります。
- 免許・資格が不要なため、使用しやすい
- 回路設計と最適なチューニングにより、従来機よりワンランク上の通信範囲を実現
- 高音質のスピーカー出力が可能
- 交互通話(20ch)に加えて、 中継通話(27ch)にも対応
SRS220Aの通信距離は100〜500mほどのため、飲食店や小売店などの小規模な場所での使用がおすすめです。
まとめ
今回は、自社に合った業務用無線を選んでいただくために、業務用無線の種類や活用タイミング、おすすめの商品を解説しました。業務用無線は種類や活用タイミングによって、使用する製品が異なります。
どの業務用無線を選ぶべきか迷ったときは、何で迷っているのかを明確にし、業者へ相談しアドバイスをもらうのも1つの選び方です。自社に合った業務用無線を利用していきましょう。