インカム(インターカム)とは?
メリットや選び方・おすすめ6選
インカムは複数人との交信をおこなう際にとても便利な無線機です。
現在の業務の効率が飛躍的に向上する一つのアイテムとなり、さまざまな業種で活躍しています。インカムにはどんなメリット・デメリットがあるのか。どれを選べばいいのかわからない方へおすすめのインカムを紹介していきます。
インカム(インターカム)とは
警備やイベント会場などで、スタッフが耳に機械を装着しているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。それらを一般的にインカムと呼び、トランシーバー・無線機とほとんど同じ機能が備わっています。
そのインカムは「インターカム」とも呼ばれていて、正式名称は「インターコミュニケーションシステム」で相互の繋がりが名前の由来です。イヤホンマイク・ヘッドセットを装着し、ハンズフリーで通信をする無線機がインカムです。
トランシーバーを電波を通して相手と通信する機器と定義すると、インカムはヘッドセットを利用できるトランシーバーとなります。2000年前後からヘッドセットが普及し、今ではあらゆる場面で業務に携わっています。
インカムのメリット
主なインカムのメリットを紹介します。
- 複数人との同時会話が可能
- 会話の秘匿性
- シビアなタイミング合わせに対応可能
【複数人との同時会話が可能】
インカムを使用する場面は、作業や案内をしている最中が多いです。目の前の業務に集中しながら次の指示をもらうために、円滑な情報共有が必要です。
なので情報を発信する役割の人は迅速な対応が求められますが、複数人相手に一人で連絡を取っていれば時間が大きく費やされます。
電話などと異なり相手への呼び出しなしで直に音声を届けることができるので、即時性が求められる現場ではインカムを使用することが大きなメリットです。
また、インカムは双方向での通話が可能で、一度に複数人に情報を発信できます。よってインカムを利用することで、タイムリーな情報を一度に伝えれるので双方がスムーズに業務を遂行できる状態になります。
結婚式場などの広い空間では、各ポジションにタイミング良く指示を出す際にも有効です。インカムのような連絡手段がないと、スタッフが毎回移動して指示を仰ぐようになってしまいとても非効率です。フロントから一斉に情報を伝達できれば、スムーズに参列者を案内することができるでしょう。
【会話の秘匿性】
インカムはオプションのマイクやヘッドセットを装着すれば、送受信をする場所が耳と口のそばにセットされます。通常、内部の情報を連携していくための通信手段なので、その情報が他者に聞かれないようにすることは当然です。
自分の顧客の目の前でトランシーバーから大音量が流れてくると、たとえ正当な会話でもあまり気分の良いものではないでしょう。トランシーバーだけで通信を行うと音声が漏れてしまいますが、インカムを利用することで外部に漏らさず通話を行うことが可能となります。
【シビアなタイミング合わせに対応可能】
玉掛け作業者とクレーン運転手のタイミング合わせが重要な玉掛け作業。その効率アップをサポートするのが、同時通話型のインカムです。電話のように双方向で話せる同時通話に対応。また、アナログ方式ですので音声伝達に遅滞がなく、シビアなタイミング合わせにも対応できます。
インカムのデメリット
インカムにはさまざまなメリットもありますが、デメリットもあります。
電波のパワーが小さいので通信範囲に制限があります。機種によって変わってくるので、業務内容に合わせて通信距離をあらかじめ確認してから、機種を選ぶことをおすすめします。
また、別のフロアとの通信が繋がりにくいことも。吹き抜けがある建物の場合は、問題なく通信を行えるケースもありますが、地下階との通信はほとんど期待できません。
とはいえ、全部が使えないというわけではないので、まずはご相談してください。
インカムの活用例
インカムはあらゆるシーンで便利に活用できます。
以下の主な活用例を紹介します。
- 医療・介護の業務効率化
- ホテル・宿泊施設
- 小売店・飲食店
【医療・介護の業務効率化】
インカムが導入されてから、対応がとてもスムーズになったのが医療・介護の現場です。
命の危険性を伴う現場では迅速な対応が求められていますが、一人で全てを管理することは難しいでしょう。
内線やPHSで連携を取るとなると、その場に担当者が不在の場合や対応に追われて連携が取れないこともでてきます。そんな時はスタッフがインカムを常備していれば、見かけた方が「〇〇さん、対応中です」など代わりに返答することもできるので、業務の効率化が図れるでしょう。応援を求める側も対応側も行動に制限されなくなり、業務を円滑にすすめることができます。
【ホテル・宿泊施設】
ホテルでインカムを利用すると業務のスピードがとても早くなります。スタッフは高層階の建物だと各エリアに配置されていますが、内線電話の場合は担当者がすぐそばにいないと、取ることができません。
しかし、インカムを使を使うことでスタッフ同士の連携や誘導がスムーズにでき、清掃・案内・炊事などに即座に対応できます。結婚式場では、サプライズのタイミングに合わせた指示を的確に送ることができ、見えない所で大活躍しています。
【小売店・飲食店】
小売店や飲食店でもインカムが活躍しています。スタッフ同士の連携がすぐに取れるので、在庫の確認がスムーズにできるので、お客様を待たせてしまうという問題が解消できます。飲食店では、キッチンとホールスタッフで連携を取り、料理を素早く提供できます。座席の確認などでもお客様の待ち時間を短縮することが可能です。
インカムを選ぶポイント
インカムの利用を検討中の方は、購入前にその特徴や使用感を確認してください。
シチュエーションに合わせたインカムを選んで購入を検討しましょう。
- 使用感
- 機能面
- 利用シーン
使用感
インカム本体の重さは、業務効率向上のためにもなるべく軽いタイプが望ましいでしょう。e-無線では100g以下のインカムも販売されており、その利便性はとても高いです。イヤホンの大きさやフィット感が耳に合わないと、それだけでストレスになりかねません。
数種類のイヤホンをメーカー別に用意してあるので、耳元だけでなくインカムのコードの位置なども、選ぶ基準にしていきましょう。工事現場では作業中の安全確保がとても大事で、重機の指示をインカムですることもあります。その際に片手をインカムの操作に使用していたため、急な事故に巻き込まれてしまうかもしれません。
最近ではヘルメットにインカムを装着して、完全なハンズフリーを実現した工事作業用インカムもあります。イヤホンコードも排除して安全な使用感を体験してみてください。
機能面
【通信距離】
機種により大幅に変わりますが、100m〜1kmを目安に利用できます。
インカムを利用する場合、近距離のインカムで間に合いますが、複数人で連携をとる際には、遠距離タイプのインカムを使用するとより通信がスムーズです。
インカムは業務に使用することが多いので、建物内や遠距離の使用をする場合など、その業務の通信範囲に合った機種を選びましょう。
もし、通信距離が心配な場合は販売会社に事前に相談すれば、デモ機を使用して確実に通信できる無線機を案内してくれます。
【通信可能時間】
充電式・電池式と様々な機種がありますが、仕事で使用する場合、予備の電池を所持することができれば1日通して使用することが可能です。約8時間〜50時間連続で使用することができます。
バッテリーセーブモードが搭載されている機種では、未使用時に自動的に節電されていて、さらに長時間の使用が可能になります。
【防水性】
インカムは業務中その本体を常に持ち歩くことになります。外での使用がメインになると天候が悪いときに、本体の故障を招きかねません。近年の無線機は防水性がかなり強化されていて、海上の利用も多くなっています。
工事現場や外での誘導員などは急な雨で、インカムが濡れてしまう可能性が高いでしょう。天候に合わせて使えるように各機種それぞれの防水性に優れているか、しっかりチェックしておくと安心ですね。
利用シーン
インカムはあらゆる場所で使用されています。大人数に対し一斉通信をしたい場面が多く、警備会社やテレビ業界、ラジオ局、イベント会場などさまざまなシーンで利用されています。
さらに、警察や消防署、医療現場など私たちの命を守ってくれる機関でも使用されています。建設業界でも使用され、音声が聞き取りやすいタイプも出ているので、周りの音が大きい際には携帯電話よりもインカムが活躍します。
どの業種もそうですがスムーズな連絡による連携が重要になるので、インカムを利用して迅速で確実な情報を届けています。
おすすめのインカム6選
おすすめのインカム、以下6つを紹介します。
- SR70A 八重洲無線スタンダードホライゾン
- UBZ-M51SE KENWOOD
- SRS210A 八重洲無線スタンダードホライゾン(+BluetoothマイクSSM-BT10)
- DJ-PHM20 アルインコ
- DJ-R200D アルインコ
- FT-20W FRC
SR70A 八重洲無線スタンダードホライゾン
ポケットに入れてもストレスなく使用できるコンパクトボディ。クラス最薄16.5mmで、防水・防塵性に優れているので安心して使えます。アルカリ単3形電池1本で約33時間使用できる省エネ設計。特定の相手やグループを呼び出すことが可能で、用途に合わせた呼び出しが選択できます。
UBZ-M51SE KENWOOD
中継器対応の特定小電力トランシーバー。
チャンネルをボタン一つで変更できるセカンドPTT機能搭載。
手ぶらで通信ができるホールド機能。
通信範囲を拡大する中継器にも対応しているので、広いフロアやバックヤードにも指示が可能です。
単三電池一つで18時間以上連続で使用ができます。
オプション接続端子がスッキリ設計。ポケットに入りやすく着脱が簡単です。
重量110g、サイズは幅47mm×高さ79.9mm×奥行22mm
SRS210A 八重洲無線スタンダードホライゾン(+BluetoothマイクSSM-BT10)
特定小電力トランシーバー。防塵・防水性能はクラス最高のIP68で、悪天候や粉塵の舞う工場現場まで安心して使用できます。13.4インチ液晶ディスプレイによる大型チャンネル表示、かつ高輝度LEDインジケータで送受信の状態が見やすい設計です。
本体にBluetoothマイクSSM-BT10を接続することでハンズフリーで使用可能です。
通信可能距離100m~500m、重量88g、サイズは幅47mm×高さ80mm×奥行22mm
商品:SRS210A 八重洲無線スタンダードホライゾン SSM-BT10 八重洲無線スタンダードホライゾン
DJ-PHM20 アルインコ
現場作業用特定小電力トランシーバー。ヘルメットに無線機をはめこんで使用する、ヘッドバンドホルダーを採用。上部にもベルトを装着でき、イヤホンのケーブルも気にせずに作業ができます。本体内部にアンテナを内蔵していて、人体に影響が及ばない安心設計。
アルインコの特小トランシーバー通話モード全てに対応し、コントローラー無しで4者間同時通話も実現しました。
単独通信で約50時間、3・4者間同時通話で8時間以上の通信が可能。
通信可能距離100m~200m、重量260g、サイズは幅50mm×高さ86mm×奥行22mm
DJ-R200D アルインコ
超多機能耐塵防浸特定小電力トランシーバー。録音機能が搭載されています。30秒間録音することができ、特定小電力トランシーバーでは希少です。
交互通話と同時通話の中継器としても使用が可能。単三電池2本で駆動します。
通信可能距離100m~500m、重量172g、サイズは幅55mm×高さ98.8mm×奥行29.3mm
FT-20W FRC
腕時計型特定小電力トランシーバー、2台セット。他のトランシーバーとも交信ができます。無線機のわずらわしい部分を腕時計モデルにすることで解決しています。他にはない腕時計のモデルなので、活躍の場が広がっています。レジを打ちながらや倉庫でのピッキング作業しながらなどスムーズに連絡を取ることが可能です。
PTTボタンを押さずにマイクに向かって話すだけで送信状態にすることができる「VOX機能」搭載。
ストップウォッチ・タイマー機能など、腕時計としての機能も付いています。
バッテリー充電時間が約3.5時間。連続使用時間が約15時間。
通信可能距離50m~1km、重量78g、サイズは幅47mm×高さ24mm×奥行74mm
商品:FT-20W FRC
まとめ
頭や耳に装着し、ハンズフリーで使用できるものがインカムの特徴です。インカムは、作業をしながら連絡を取り合うことが必要な場面で活躍しています。
新しい事業の立ち上げや、現在の業務で支障をきたしている場合は、インカムを利用することで、画期的に業務の向上に期待できます。コミュニケーションの流用にぜひ、インカムを取り入れてみましょう。